沖縄タイムス オフィスの窓から(4)

耕作放棄地
 昨年暮れから派遣社員の解雇問題が連日のように報道されている。しかし一方で私が携わる農業分野では、担い手不足と遊休地(耕作放棄地)が常に問題となっている。職を求める人と農業をつなぐ手だては無いものだろうか?との思いが頭をよぎる。
 そんな中、「おきなわ就農促進ゆいまーるモデル事業」に携わることになり、新規就農を希望する研修生を受け入れることになった。この事業は、沖縄県による新規就農者の育成・確保を目的とした事業だ。
 このような人材が増えれば将来は担い手不足に悩まされることも無くなるのであろう|と胸をなで下ろしたいところでは有るが、この研修生たちの多くが大きな問題を抱えている。それは、生産する土地を持っていない、または、あてが無いということなのだ。
 遊休地や放棄施設(ハウスなど)は、問題となるほど存在するというのに、賃借して貰え無いのが現状だ。地主が土地を貸さない理由としては、賃借すると返してもらえなくなるのでは?という不安が主な要因となっているようだ。
 実際、私の経営する会社でも与那原町において生産事業に着手したのだが、土地を思うように確保できていない現状がある。遊休地があるからといって、必ずしも利用できるとは限らないのだ。目の前に広がる耕作放棄地を眺めると、もどかしさを覚える。
 農地を所有していても耕作していないという農地所有者が、新規就農希望者に賃借することで沖縄県における農業の担い手不足を補うことができるだろう。さらに、就農者が増えることで新たな雇用を創出し元気な沖縄農業の実現につながるのではないだろうか?
 土地を貸してもよいという地主が、一人でも多く現れ、土地の無い就農希望者が一日でも早く生産の現場に立てる日が来ることを節に願っている。